梁塵日記

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zoom RSS ハット企画「シェフェレ 女主人たち」

<<   作成日時 : 2017/05/11 00:59   >>

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発散する圧倒的な女優力を体感。至福に包まれた時間だった。
 19時から下北沢「劇」小劇場でハット企画「シェフェレ 女主人たち」。

 作=ヴェルナー・シュヴァーブ、訳=志賀重仁・服部有吉ほか、演出=ヴェアチェスラブ・サンブリッシュという布陣。作者のシュヴァーブは1994年に早世している。この作品は1989年に発表したもの。

 出演は新井純、石井くに子、コトウロレナの三人。

 開場するとすでに役者たちが舞台にいる。キリスト像や宗教的イコンが貼られた壁。ハーケンクロイツの落書きもある(カギの向きがなぜか逆)。落書きだらけの薄汚れたアパートのキッチン。ソファでいぎたなく居眠りするグレーテ(石井くに子)、つけっぱなしのテレビに見いる部屋の主・エルナ(新井純)。テレビは最近、エルナが安く手に入れたものという。気まぐれにテーブルの下にもぐる少女・マリードゥル(コトウロレナ)。

 やがて開演時間が来ると大きなテーブルを挟んで取り留めもない女たちの会話が始まる。

 エルナの気がかりは、女性との「性交」に興味がない息子のこと。それに茶々を入れるグレーテ。マリードゥルの自慢は便器に詰まった汚物を素手で探り当てること。そのため、金持ちの家では彼女の「技術」がもてはやされているという。
  
 彼女たちが喜々として語る「うんこ」の話、「性」の話。聖なるものへの汚辱の悪罵はアルコールが進みむにつれエスカレートしていく。
 そして、その果てに待ち受けるカタストロフ。
 

 キャパ130の小さな劇場ならではの臨場感。それも最前列で観たので、女優たちの奔放なエネルギーの「圧」が眼前で感じられる。
 3人のバトルは、まるでティラノザウルスとトリケラトプスとプテラノドンの闘い。獰猛な肉食獣そのもの。

 その圧倒的な「女優力」。沈着冷静でいながら火がつくと止められないエルナは精神世界の象徴、ふしだらで淫蕩でありながら自己を見失わないグレーテは肉欲の世界の象徴、そして2人を上目遣いで見ながら隙があれば飛びかかろうと狙うマリードゥルの純粋性。それぞれの役柄を新井、石井、コトウロレナが体現する。途中で台本の流れが行き違っても、それを即座にアドリブで修復できるのは、この作品がそれぞれの体にしみついているから。それだけの過酷な稽古だったようだ。
 
 スカトロ、ワイセツ、暴力。聖俗、汚辱まみれのお話を3女優が奔放自在に演技。計算もあるだろうが、体の内から自然に出るまで醸成した稽古の現れ。この舞台の3人の芝居は奇跡と呼んでもいい。
 コトウロレナがこの舞台で大きく脱皮したのは言を待たないが、新井純、石井くに子の演技の素晴らしさは特筆もの。練熟の大ベテランであっても、さらに化けることもあるのだ。
 ルーマニアから演出家を呼んだ意義は大きかった。

 「排泄」と「猥褻」と「暴力」の三位一体の過剰な舞台は日本人にはなじみにくいかもしれないが、三女優の奔放自在なバトルを見るだけでも十分元は取れるし、最後の戯曲的仕掛けにもまた驚嘆するに違いない。
1時間30分はアッという間。
 初日とあって、さまざまな友人知人が参集。初日の感想に花が咲くのも珍しい。舞台は21日まで。これはおすすめ。
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