梁塵日記

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zoom RSS 黒テント「亡国のダンサー」

<<   作成日時 : 2017/03/28 00:00   >>

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14時、下北沢ザ・スズナリで黒テント「亡国のダンサー」(作・演出=佐藤信)。

 平日マチネだったが、通路までびっしり。客入れに時間がかかり開演が20分押し。近ごろ、スズナリでは見たことない光景だった。黒テントの劇場公演でもめったにないこと。「佐藤信14年ぶりの書き下ろし」の惹句が効いたのか。

 無機質な舞台美術。主人公の「わたし」(服部吉次)が幽閉されている巨大なビルの一室らしい。「わたし」は、理事長(宮小町)に呼び出され、チーフ(宮崎恵治)とサブ(木野本啓)に聴取される。証人(平田三奈子)も現れるが、見知らぬ人物だ。
 幽閉された部屋から外部に出ようにも扉はロックされており、渡された電子キーで本人確認しないと身動きが取れない。指示されるまま彼は認証を試みる。100にも及ぶ質問に一つひとつ答えていくが、ひとつ間違えても振り出しに。

この煩雑さは、iPhoneが故障した際に、正統な持ち主であるかどうか、質問と答えがいくつか合致するまでテストされたことがある身にとってはよくわかる。

 ようやく認証されて暗証番号を入力するも、一度使っただけでリセットされる。再び認証から始めなければならない。苛立ちを深める「わたし」。どうやらこの部屋はビルの中で「存在しない部屋」のようだ。

 「わたし」の時空間と交差するように「姉、祖父、弟」(中島愛子、芹澤悠、愛川敏幸)を名乗る3人が登場する。この3人は「わたし」にとって何なのか。さらに理事長を暗殺しようとする一団も。
 登場人物の言葉の端々から311原発事故が示唆される。
 ビルのダクトを移動する男たちはヘッドギアをつけ、作業着姿。まるでオウムの残党。彼らは除染作業員?

 この物語を挟むように上手と下手に佇むコロスたち(桐谷夏子ほか)が「乙巳の変」の顛末を朗誦する。

 中大兄皇子、中臣鎌足らが宮中で蘇我入鹿を暗殺して蘇我本宗家を滅ぼした政変で、その後に行われた政治改革が大化の改新と呼ばれる。

 佐藤信によれば、今回の舞台は「自分はいまどこにいるのか、自分はいま何をしているのかという問いかけを、観客席と共有したい」ということのようだ。

 主人公である「わたし」とはいったい何者なのか。
 乙巳の変では、蘇我氏によって天皇の出自が記された「天皇記」や国の成り立ちを記した「国記」が焼かれたことが示される。 自分が何者であるか存在証明できない男を壮大な空虚「天皇」と見るのは穿ちすぎか。

 1時間30分と上演時間は短いが、イメージが乱反射し多くの言葉が交錯する舞台は噛みごたえ十分。
 芝居は「何が何だかわからんが気になる」という、見る側に余白の大きな舞台の方が面白い。
 服部吉次さんの軽やかなダンスステップが印象に残る。息子・有吉氏は世界的ダンサー。芝居を見ながら、雨の中の父のステップをどう見るか、などと余計なことを考えていたのだった。
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