梁塵日記

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zoom RSS 青蛾館「中国の不思議な役人」

<<   作成日時 : 2017/03/21 23:50   >>

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​ 19時、東京芸術劇場シアターウエストで青蛾館「中国の不思議な役人」(原作=寺山修司、構成・演出=松村武)。
 もとはバルトークがパントマイム劇のために書いた作品「Der wunderbare Mandarin(奇妙な清朝時代の官吏=中国の不思議な役人)」に想を得たもので、脚本家メニュヘルト・レンジェルの台本では、無頼漢によって無理矢理娼婦にさせられた一人の少女が三人の客をとるプロセスがマイムとして演じられることになっていたという。
「中国の不思議な役人」は、その三人のうちの最後の客であり、不死の男でもある。死にきれない男に同情した少女がやさしく腕をかしてやると、役人は安心して死んでいく、というのがレンジェルの原作だった。
 それに寺山がアレンジを加えた。
 1977年に、西武劇場(後にパルコ劇場と改名)で初の商業演劇、音楽劇として初演された作品であり、09年にはパルコ劇場が白井晃演出、平幹二朗主演で再演している。

 舞台は”魔都”上海。行方不明の妹・花姚(橘花梨)を探す兄・麦(安川純平)。彼の前に現れた謎の女将校(明星真由美)は中国の不思議な役人(若松武史)を殺せば、妹に会わせてやろうと言う。花姚はすでに娼館で囚われの身となっている。その言葉を信じて役人を探す麦。
 娼館では女主人・黒蜥蜴(のぐち和美)による背徳の饗宴が繰り広げられている。
 梨貞(池田有希子)、毒薊(藤田記子)、娼婦たちを調教する魔耶(宮下今日子)や異形の西瓜男(石井愃一)、巨人の怪力(澤魁士)。兄と妹は再会できるのか。そして不思議な役人の命は…。
 背徳のエロチシズムが横溢する舞台。寺山ワールドともいうべき鏡売り男、侏儒、人間犬なども登場し、人間消失のマジックなど、おもちゃ箱をひっくり返したようなにぎやかで猥雑な舞台。

 その中で若松武史演じる役人が魔王のように屹立する。
 寺山はこの役人についてこう演出ノートに書いている。
「(略)これは、役人を支那の歴史の翳として寓意的に描こうという安易な政治指向ではなく、より強大な、いわば「永遠の男」は、やがて機械のダイナミズムによって象徴されるだろうという未来主義でもない。ともかく、役職をもった権力的な男は、黒衣によって操作されながら、つねに等身大の人間にもどりたいという願望と、より強大化してフランケンシュタインの怪物かキングコング化したいという力への願望とのあいだに引き裂かれている、という把え方としたのである」

 黒衣に操られる権力者。等身大と極大の間に引き裂かれる男。まるで今のトランプや安倍ではないか。41年前の寺山修司の予言。
 アメリカの不思議な大統領、日本の不思議な首相…。
 彼らを葬るためには真実の愛が必要とは…。
 今回、「上海異人娼館〜チャイナ・ドール」をコラージュ。「黒蜥蜴」を登場させ、青年将校(丸山厚人)も原作にはない役。昭和精吾事務所のこもだまりが脇を固め、ダンサー(安藤洋光、島地保武)が「影」を演じた。二胡奏者・土屋玲子の生演奏も効果的。池田、明星の歌唱が圧倒的。
 
 寺山ワールドに初挑戦、渾沌と惑乱のスペクタクル音楽劇を自家薬籠中の物とした松村武の実力を見せつけた舞台でもあった。

 終演後はアフタートークで若松武史さん未唯mieさんとステージに。司会は野口和美さん。20分と短い時間だったが伝えたいことは伝えられたかな。
 日刊ゲンダイ・T田氏が前列にいたのでびっくり。
 終わった後、ロビーで高畑亜実、こもだまり、丸山厚人らと立話。万有・身毒丸組の蜂谷さん、森ようこさんらも観劇。偏陸さんはビデオ撮影。
 未唯さんに挨拶して家路に。
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