野村萬斎「子午線の祀り」

 世田谷パブリックシアターで「子午線の祀り」。FBで石澤秀二氏が絶賛していたので、思い切ってチケぴでチケットを取って見に行く。8500円。終演後に初めて気が付いたが千秋楽だった。熱狂的なカーテンコールが繰り返されたのはそのせいもあったのか。
「子午線の祀り』は木下順二の作。
「平家物語」を題材に「天」の視点から「地」でうごめく人間たちの葛藤を描いたもの。
 平知盛や源義経をはじめとする源平合戦の登場人物たちの駆け引き、心理を浮き彫りにし、ダイナミックな歴史絵巻に仕立てた。
 能・狂言、歌舞伎、現代演劇で活躍する俳優、スタッフがジャンルを越えて創り上げた舞台で、日本語の「語り」の美しさと荘厳な響きを引き出す群読という独特な朗誦スタイルが随所に用いられる。
 初演は1979年4月。国立劇場。
 嵐圭史(新中納言知盛)、観世栄夫(大臣殿宗盛)、山本安英(影身の内侍・読み手B)、滝沢修(阿波民部重能)、野村万作(九郎判官義経)、宇野重吉(読み手A)ほかの豪華キャスト。
 共同演出は宇野重吉、観世栄夫、酒井誠、高瀬精一郎、木下順二。
音楽は武満徹。
 それに先立ち、1979年3月にNHKがラジオドラマとして3夜連続で放送している。
 ナレーションは鈴木健二と杉浦悦子。
 出演は山本安英、嵐圭史(新中納言知盛)、日下武史、大塚国夫(大臣殿宗盛)、津嘉山正種(九郎判官義経)、坂本和子、岩倉高子、浮田左武郎、草野大悟(阿波民部重能)、石田太郎(弁慶)、西川鯉之丞、中台祥浩、及川ヒロオ、須永宏、山野史人ほか劇団青年座、山本安英の会。
 舞台と一部配役が重なる。
 今聴いても舞台版と見劣りしないばかりか聴覚に特化した演出は無限の想像力を喚起する。
 第一部、第三部の演出は香西久、第二部は斎明寺以玖子。鉄壁の布陣だ。
 その後、山本安英の会が引き続き上演し、第五次の1992年銀座セゾン劇場での上演が最後となった。
 野村萬斎版の「子午線の祀り」は2017年初演。今回が4年ぶりの再演。
 中央に半月を象った盆舞台。後方中空に浮かぶように影身の内侍(若村麻由美)が立つ。幻想的な絵。
 「人間の営みを俯瞰して眺める狂言的なマクロの視点」と「人間の精神性や情感に迫る能的なミクロの視点」で古典と現代が融合した作品を数多く演出してきた野村萬斎の集大成ともいえる舞台。
 スピーディーでテンポのいい転換で休憩20分挟んで3時間10分は瞬く間。
 配役は以下の通り。
 野村萬斎(新中納言知盛)、成河(九郎判官義経)、河原崎國太郎(大臣殿宗盛)、吉見一豊(梶原平三景時)、村田雄浩(阿波民部重能)、若村麻由美(影身の内侍)。
 ほかに星智也、月崎晴夫、金子あい、時田光洋、松浦海之介、岩崎正寛、浦野真介、神保良介、武田桂、遠山悠介、森永友基。
 九郎判官義経役の成河の大仰な身振りに客席の女性たちがどよめく。平家物語の地の文の群読。その日本語の響きが心地よいのだが今の日本人には難しいのだろう。「何を言ってるのか理解できない」と隣のカップルの休憩中の会話。
 なんといっても武満徹の音楽が素晴らしい。広大な宇宙空間を思わせる壮大な音楽。流れるだけで舞台のイメージが広がる。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント