LAL STORY ストレイトプレイシリーズ『さけび』

 19時、サンモールスタジオでLAL STORY ストレイトプレイシリーズ『さけび』(作=テネシー・ウィリアムズ、訳=大森裕二、監訳=長田光展、演出=東憲司)
 
 第一回公演「死と乙女」につづく山路和弘(青年座) 朴璐美の二人芝居。
 
 原題は「Out Cry」。2016年に『二人だけの芝居』のタイトルで劇団民藝で本邦初演されたという。
 
 
 登場人物はフェリース(山路)とクレア(朴)の兄妹。彼らは劇作家と俳優の関係。
 
 巡業先の劇場で劇団員たちが二人の狂気にあいそをつかして逃げ出してしまったため、彼らは二人芝居をやらざるを得なくなる。

 精神病患者のように叫び、のたうち、ときに依存しあう。
 虚構と現実が入り混じる二重三重のメタ構造演劇。。
 不遇な晩年を送ったT・ウィリアムズはこの作品を10年間も試行錯誤を繰り返しブラッシュアップしたという。
 
 詩的なセリフが飛び交い、互いの関係性も飛び越える。観客には状況をつかもうとするがスルリと逃げる。五里霧中。まるで60年代アングラ劇。
 
 東憲司は桟敷童子のトリッキーな演出スタイルを捨てて濃密な心理劇とした。
 2人の俳優の間に横たわる深くて暗い川。
 セリフに拮抗するように、舞台美術や小道具(ヒマワリ、シャボン玉)が観客の想像力を刺激する。
 異様な存在感を放つ巨大オブジェを登り降りしながらセリフの応酬をする二人。
 虚実の皮膜を超えて、朴、山路という2人の俳優の芝居にかける狂気が見え隠れする。
 闇の深さとヒマワリが象徴する希望。1時間45分、濃密な人間の心の闇を堪能した。

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