劇場創造ネットワーク「男たちの中で~In the Company of Men~」

14時、座・高円寺1で劇場創造ネットワーク「男たちの中で~In the Company of Men~」(作=エドワード・ボンド、翻訳=堀切克洋、上演台本・演出=佐藤信、ドラマトゥルク=ダヴィッド・テュアイヨン、上演台本協力=石井めぐみ)
 
 
 「戦争」三部作などで知られるエドワード・ボンドの戯曲をもとにした作品。
 
 軍需企業の買収をめぐる6人の男たちの思惑が絡み合いもつれ合い悲劇に突き進む様子がビビッドに描かれる。
 
 6人の男とは、老舗兵器会社のオーナーであるオールドフィールド(龍昇)、買収を目論む新興スーパーマーケットチェーンの経営者ハモンド(千葉哲也)、捨て子だったが、オールドフィールドの養子として後継者に目されるレナード(松田慎也)、秘書のドッズ(真那胡敬二)、他企業の息子ウィリー(植本純米)、オールドフィールド家の使用人バートレイ(下総源太朗)。
 
 オールドフィールドの会社買収を狙うハモンドは、ウィリーを使ってゆさぶりをかける。この暗闘に加わるのがオールドフィールドから何とか大金を巻き上げようというバートレイ。
 
 一方、レナードはこの経済戦争に嫌気がさし、相続を放棄しようとする。
 野望、反目、裏切り、媚びへつらい、懇願…カネをめぐってうごめく男たちの策謀。

 説明的なセリフがなく状況のほとんどを観客の想像に委ねる作品。その膨大で途切れないセリフ、セリフ。
 実をいえば寝不足気味で一幕の何か所は瞬間的に意識が遠くなるシーンもあり、きちんと物語の連続性を味わったのは二幕から。

 たぶん、構成としても二幕に具体性を持たせたのかもしれない。
 レナードの内省を主軸に、オールドフィールドに攻勢をかける男たちの暗闘が激化するサマがスリリングに展開する。それはあたかもギリシャ悲劇やシェイクスピア劇のようだ。
 

 6人の俳優はそれぞれ一騎当千の強者。オールドフィールドを演じた龍昇が非情さをにじませる大企業のトップという今までにない役を見事に演じていた。
 この作品は冷戦末期の1980年代に書かれた作品という。
 
 新自由主義の台頭以前に今日のネオリベ社会の危うさを予言していたのだ。
 
 楕円の輪を組み合わせたような舞台美術(長尾真莉子)が秀逸。
 まるで宇宙空間の恒星の周りを回る惑星や衛星の軌道や、人工衛星の軌道にも見える。
 経済という惑星の中心にある恒星は人間のはずなのだが。
それにしてもタイトル通り、男たちのガチンコ対決がスリリング。
休憩挟んで3時間10分。27日まで。

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