特攻隊

「特攻機はほとんど全機が爆弾そのものであるような爆薬の充填の仕方をしています。戦争機械の効率としては最大に良いわけですね。そのわずかに残された空間に若い兵士が乗り組む。ですから、私流に申しますと、その若い航空兵が果たす機能は、ほとんどその飛行機のメーターの機能と同じものになる。つまり最新の科学技術による飛行機の部分品の一部にその人間は化けていく。その飛行機の中にその若い生身の人間が部分品としてセットされて、その戦争機械が敵艦に向かってより精密な人間操縦によって、ぶつかっていく。死と破壊に至るオートメーション過程のある部分に、人間が差し込まれてインプットされた、そのいう状態を考えてもらえばよいと思います」(1975年刊『反天皇制論』より、いいだもも氏「なぜ天皇制か」)


先日、日刊ゲンダイの「保阪正康の日本史縦横無尽」で書かれた「特攻隊員を人間ではなく機械と見ていた高級軍人」と符合する。戦地に行かない高級軍人にとって特攻兵は機械の一部だったのだ。



私はこれまで数多くの軍人に会ってきて、この人は人間として失格だなと思った人物が3人いる。いずれも陸大出身の高級軍人である。その一人がCである。彼は航空畑の参謀であったが、徹底的な特攻作戦の擁護論者であった。それも兵器という視点からである。彼は次のように言ったことがある。

「君も特攻作戦に反対のようだね。人間を兵器のように扱うのはおかしいというんだろうな。私はそんな論など相手にしないけどね。この作戦がいかに先駆的な意味を持っているかなど、わからない連中には話をしたくないんだ」 

私は驚き、「先駆性ってどういうことですか」と確かめた。「つまり」と彼は言い、「特攻隊員たちはコンピューターの先駆けだったんだ。今の時代のミサイルのようなものというわけだねと補足した。 

コンピューターの役を果たしたことになる特攻隊員たちは、機械の部品のようなものでしかないと断言されたことになる。先駆性というのはコンピューターが生まれるまでの機械としての役割を指している。この言葉を聞いた時に、私は反射的にある特攻隊員の遺書を思い出した。本欄でも紹介したが、特攻隊員として沖縄方面で戦死した上原良司は、出撃前夜に記した遺書の中で「自分は器械の一部に過ぎないが」と述べていた。しかし一人の自由主義者であり、ファシズムの国家は必ず滅びると書いていた。

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